予防歯科で歯を守りましょう Protect your teeth with preventive dentistry
予防歯科は虫歯や歯周病といった病気をを治す学問ではなく、病気になるのを防ぐための考え方です。近年では様々な治療技術が進歩し、多くの疾患は治療ができるようになってきましたが、元々あった自分の組織以上に素晴らしいものはありません。それを守るのが予防歯科です。
以前は歯が痛くなったら歯科医院に行くという受診スタイルが当たり前でしたが、近年は虫歯や歯周病になる前に受診する、というのが一般的になりつつあります。歯科医院の定期検診では、ブラッシング指導やご自宅での歯磨きだけでは取り除くことのできない汚れを除去して、健康な状態をキープするお手伝いをしています。
予防歯科の必要性
いくつかのメディアのアンケートで、若いうちにやっておけばよかった健康への備えとして、歯のメンテナンスが上位にランクインしています。特にリタイア後のシニア世代では、「歯の定期検診を受けておけばよかった」と後悔する方が多いようです。
2016年の調査では、日本人の平均残存歯数は70代では約18.8本ですが、80代になると10.7本しかありません。通常成人では28本の歯があるので、いかに少ないかがわかると思います。歯が少ないと食事やコミュニケーションに支障が出て楽しむことができません。お口の健康を保ち、楽しい老後を過ごすためにも、定期検診を活用しましょう。
歯の本数と食事
8020運動をご存知ですか?1989年から厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
歯が少なくなればなるほど、咀嚼力や咬合力が弱まり、食べることができる食べ物は少なくなっていきます。硬い物が食べられなくなり、顎への刺激が減ることで、認知症のリスクも高まると言われています。また、自分の好きな物が食べられなくなることによって食事の楽しみが減り、栄養不足になってしまうことも考えられ、こうしてお口の環境から全身の健康が損なわれていくことが懸念されています。
残存歯数と全身疾患のリスク RISK
お口の中の歯の本数が減ると、全身疾患のリスクも高まると言われています。
残存歯数は噛む力と大きな関係があり、食べられるものが限定されることで、栄養が偏ってしまう可能性もあります。
歯が少ないことによる
全身のリスク
- 認知症
- メタボリックシンドローム
- 肺炎
- 骨粗しょう症 など
定期検診が運命の分かれ目です
定期検診を行うことで、残存歯数をより多くすることができます。予防歯科先進国のスウェーデンでは、成人の80%以上が定期検診を受けているのですが、日本での定期検診受診率は低く、10%未満とも言われています。
その結果、スウェーデンでは80歳代の方の平均残存歯数が20本を超えているのに対し、日本では約13本と大きな差が開いてしまっているのです。毎日の歯磨きと数ヶ月に1回の定期検診が運命を分けていると言っても過言ではありません。
定期検診で生涯医療費を
節約しましょう
「定期検診は高いので、痛くなってから歯科医院に行けば良い」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には定期検診を受けている方の方が、大きく医療費を節約できる、というデータがあります。なぜなら、虫歯や歯周病の治療や歯を失ってしまった際の入れ歯やインプラントの治療にコストがかかり、複数回の通院が必要になってしまうからです。治療をインプラントやセラミックなどの自由診療にして、より良い状態に戻そうとすると、さらに大きなコストがかかります。また、歯科治療は切り傷などと違い、失われた部分は自分の組織ではなく、人工物で補う必要があります。医療費を節約できる理由はそれだけではありません。特に歯周病は全身疾患との関わりが強く、内科疾患などを悪化させる恐れがあります。そうすると、歯周病が原因で、生活習慣病などの治療にもコストがかかってしまいます。また、歯周病や虫歯で歯を失うと、認知症などのリスクが上昇し、さらに医療費がかかることになってしまうのです。
予防歯科で
健康寿命を延ばしましょう
河越歯科医院ではお口の健康だけでなく、健康寿命を延ばすことを目的とした「予防医療」に力を注いでいます。歯原性菌血症の予防や保健指導を行うことにより、様々な面から病気の発症リスクを減らし、身体全体を健康へ導くお手伝いをさせていただきます。「口は生命の入り口」とも呼ばれており、口に入れた栄養から体が作られます。そのためにはお口を清潔に保ち、しっかりと噛んでお食事をとることができる口腔環境を保つことが大切です。
これからも患者様が心身ともに健康で長生きするために、総合的なサポートを行う場所としてスタッフ一丸となって活動に取り組んでいきます。